
宅地建物取引業を営もうとするものは、業法の規定により、国土交通大臣又は都道府県知事の免許を受ける必要があります。ただし、免許を受けようとするものが欠格事由に該当する場合や、免許申請書若しくはその添付書類の中に重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けている場合は、免許の申請をしても拒否されますので注意が必要です。
宅地建物取引業とは「①宅地又は建物について自ら売買または交換すること。②宅地または建物について他人が売買、交換、又は貸借するにつき、その代理若しくは媒介すること。」を言います。すなわち、不特定多数を相手に以下の表の〇印の行為を反復継続して行い、社会通念上事業としてみることができる程度のものを言います。
自己の物件を貸し出すことは宅地建物取引業にあたりません
二つ以上の都道府県に事務所を設置して事業を営む場合は国土交通大臣の免許を、一つの都道府県内で事務所を設置して事業を営む場合はその都道府県知事の免許を受ける必要があります。
免許の有効期間は免許年月日の翌日から起算して5年間となります。令和6年6月10日付で免許を受けた場合、令和6年6月11日から令和11年6月10日までの5年間が免許の有効期間になります。有効期間満了後も引き続き宅建業を営む場合には、有効期間満了日の90日前から30日前までの間に、免許の更新申請をする必要があります。本例の場合、令和11年3月12日から5月11日の間に更新申請書を提出します。
宅建業の免許を受けるには以下のような要件等があります。
個人または法人、いずれの場合も申請可能です。法人の場合には履歴事項全部証明書の目的欄に宅建業を営む旨の記載があることが必要です。「不動産業」のようなあいまいな表現ではいけません。
免許を受けようとするものが欠格事由に該当する場合は申請しても拒否されます。免許を受けた後でも、欠格事由に該当することとなった場合には、その免許は取り消されます。法人の場合には、役員は全員が対象となります。また、この役員には会社謄本に取締役として登記されている人に限らず、会長、顧問、 相談役など、業務を執行する権限のある人(名刺や会社案内などで、 「会長」や「相談役」などの肩書が付いているというのが目安)も含まれますので注意が必要です。
・免許不正取得、情状が特に思い不正行為又は業務停止処分違反をして免許を取り消された場合。
・免許不正取得、情状が特に思い不正行為又は業務停止処分違反をした疑いがあるとして免許取消処分の聴聞の公示をされた後、廃業等の届け出を行った場合。
・禁固以上の刑又は宅地建物業法違反等により罰金の刑に処せられた場合。
・暴力団の構成員等である場合。
・免許の申請前5年以内に宅地建物取引業に関して不正又は著しく不当な行為をした場合。
・破産手続きの開始の決定を受けて復権を得ない場合。
・宅地建物取引業に関し不正又は不誠実な行為をする恐れが明らかな場合。
・心身の故障により宅地建物取引業を適正に営むことができない場合。
・事務所に専任の宅地建物取引士を設置していない場合。
事務所とは「本店・支店その他の政令で定めるものをいう」となっており、物理的に宅建業の業務を継続的に行える機能を持ち、社会通念上、事務所として認識される程度の独立性を持っていることが必要になります。また事務所として使用する権原を有していなければなりません。新規申請にあたっては事務所の案内図、写真、平面図など多くの資料提出を求められます。
・本店又は支店として履歴事項全部証明書に登記されたもの。
・本店で宅建業を行わなくても、支店で宅建業を営むと、本店も宅建業の事務所となり、本店にも営業保証金の供託や専任の取引士の設置が必要になります。また支店の登記があっても、その支店において宅建業を行わない場合は事務所として取り扱われません。本店又は支店の他、「継続的に業務を行う事ができる施設を有する場所」で宅建業に係る契約を締結する権限を有する使用人を置く場合、事務所にあたります。(営業所、出張所等)
事務所ごとに専任の宅地建物取引士を置かなければなりません。専任と言うには「常勤性」と「専従性」、二つの要件を満たす必要があります。事務所の通常の勤務時間に常勤し、専らその事務所に係る宅建業の業務に従事することが必要です。申請会社の監査役は専任の取引士を兼務できません。事務所ごと、業務に従事するもの5名に1名以上の専任の取引士の設置が必要です。不足した場合には、2週間以内に補充しなければなりません。新規免許申請の際、専任の取引士は、「取引士資格登録簿」に勤務先名が登録されていない状態であることが必要です。前に所属していた会社のままになっていないよう注意しましょう。
免許申請し、免許通知の連絡が届いたら、本店の所在地を管轄する供託所へ営業保証金を供託するか、弁済業務保証金分担金を支払い、保証協会に加入する必要があります。供託の場合は、本店1000万円、一支店当たり500万円の供託金が必要になります。保証協会の分担金は、本店60万円、一支店あたり30万円です。(別に加入金等あり)
申請に際し必要な書類は以下の通りでかなりのボリュームになり、正副2部作成する必要があります。
1,免許申請書
2,相談役および顧問、5%以上株主・出資者の名簿
3,身分証明書の原本(代表取締役、取締役、監査役、執行役等)
4,登記されていなことの証明書(代表取締役、取締役、監査役、執行役等)
5,代表者の住民票の原本
6,代表者等の連絡先に関する調書
7,略歴書(代表取締役、取締役、監査役、執行役、専任の取引士等)
8,専任の宅建士設置証明書
9,宅地建物取引業に従事する者の名簿
10,専任の宅建士の顔写真貼付用紙
11,法人の履歴事項全部証明書
12,宅地建物取引業経歴書
13,決算書の写し(新設法人は開始貸借対照表)
14,資産の状況を示す書面(個人申請の場合)
15,納税証明書の原本(申請直前1年分)新設法人は添付不要
16, 誓約書
17,事務所を使用する権原に関する書面
18, 事務所付近の案内図
19,事務所の写真(間取り図、平面図等添付)
申請手数料33,000円が必要です。現金持参で受付後シールを購入します。
審査期間は受付後約30日~60日になります。
普通郵便はがきで本店宛に通知されます。
営業保証金を供託し届出書を提出をするか、保証協会に加入するかします。この手続きは免許日から3か月位以内に完了する必要があります。保証協会への加入手続きは約2か月かかるため申し込みは早めに行いましょう。
免許が交付されたら「標識の掲示等」の義務を履行し営業開始となります。
当事務所では申請書作成から必要書類の取得、事務所写真撮影など新規申請のお手伝いの他、更新申請、変更届等に係る業務をお引き受けいたします。お気軽にご相談ください。