
財産管理等委任契約は、委任者が受任者に対して、自己の財産の管理に関する事務の全部または一部について、代理権を与えるものです。任意後見契約とは違い、自分自身の判断能力が低下していない場合にも利用する事ができます。財産管理等委任契約を結んだからといって、本人の行為能力が制限されることはありません。また受任者の義務の履行を監督する監督人を選任することもできます。
認知症等により本人の判断能力が低下すると、自分の財産を管理したり様々な契約を締結する際に支障が生じ、本人の不利益になることが想定されます。このような判断能力が不十分な方たちを保護し、支援するのが成年後見制度で、大きく分けると「法定後見制度」と「任意後見制度」があります。(2026年現在制度の見直しが検討されています)
年齢をとると、お金を振り込んだり何らかの契約を結んだりすることに不安を覚えるようになることがあります。
財産管理等委任契約は、そのような場合に、委任者が受任者に対して、自己の財産の管理に関する事務の全部または一部について、代理権を与えるものです。任意代理人を選任し代理権を付与する契約ですので、判断能力が低下していない場合にも、直ちに利用する事ができます。精神上の障害はなくても、身体上の障害がある場合などに、代理人に契約等の法律行為を行ってもらう事もできます。財産管理等委任契約を結んだからといって、本人の行為能力が制限されることはありません。また受任者の義務の履行を監督する監督人を選任することもできます。後述する任意後見契約と違い、必ずしも公正証書によって作成する必要はありませんが、公正証書により、任意後見契約とセットで締結するのが良いでしょう。移行型任意後見契約と呼ばれています。
・信頼できる受任者を決める
・管理してもらう財産を決める
・委任事務及び代理権付与の範囲を決める
・その他の契約内容を決める
・親族間の場合無報酬が多いがその他の場合は報酬を決める
・契約を結ぶ
・委任事務処理のため必要な証書等を引き渡す
(所有権は委任者に残ります)
当事務所ではご相談者様のお話をお伺いし、ご希望に沿った契約締結のお手伝いをさせていただきます。
法定後見制度では、本人の判断能力が不十分になった後に、本人、配偶者、四親等内親族、市町村長などの申し立てにより、家庭裁判所が成年後見人等を選任し後見が始まります。このとき配偶者や親族が後見人となることを希望していてもその通りになるとは限りません。法定後見では、本人の資産が高額で多岐にわたる場合、家族等ではなく第三者が後見人に選ばれる可能性が高くなります。例えば夫が所有するアパート、賃貸マンション等の収益物件による収入で一家が暮らしていた場合、夫が認知症になり家庭裁判所により弁護士が成年後見人に選任されたとします。これまでは夫の資産から、家族旅行や食事会、孫の教育資金の贈与など捻出していたとしても、資金が必要になる都度、成年後見人との相談が必要となります。場合によっては支出が認められない事もあります。法定後見では本人の財産を守ることが中心となります。また選任された後見人に対する報酬が発生し、報酬額は本人の財産額などに応じて家庭裁判所が決定します。本人が生存してる間発生し、後見が長期にわたるとそれなりに多額となります。(2026年現在、これらの問題を解消するための検討が行われています)
任意後見制度は、本人の判断能力が十分あるときに、あらかじめ任意後見人となる方や、将来その方に委任する事務(本人の生活、療養看護及び財産管理に関する事務)の内容を定めておき、本人の判断能力が不十分となった後、任意後見人がこれらの事務を本人に代わって行う制度です。
① 本人と任意後見人となる方との間で、本人の生活、療養看護及び財産管理に関する事務について任意後見人に代理権を与える内容の契約(任意後見契約)を締結します。この契約は公証人が作成する公正証書により締結しなければなりません。
② 本人の判断能力が不十分になった後に、家庭裁判所に対し任意後見監督人選任の申立てを行い、選任後後見がスタートします。申立てができるのは、本人、配偶者、四親等内親族及び任意後見人となる方です。申立てから後見開始までの期間は多くの場合4か月以内となっています。4か月ほどかかる事もあると言う事なので注意が必要です。

公正証書作成に係る実費は以下の通りです。
・公正証書の作成基本手数料:11,000円
・登記嘱託手数料 : 1,400円
・印紙代 : 2,600円
・その他 : 正本・謄本の作成費用、切手代等
任意後見制度では、後見人を自分が信頼する子供や配偶者などにすることができ、報酬も自由に設定でき無報酬とすることもできます。ただし家庭裁判所が選任する任意後見監督人への報酬は発生します。FP・行政書士すのはら事務所では契約内容の確認やアドバイス、書類作成のサポートの他、被後見人が後見を受けている間のマネープラン等に関するご相談にも対応いたします。