NPO法人設立

「NPO」は「非営利組織」と訳され、「NPO法人」とはNPOの中でも、「特定非営利活動促進法」(NPO法)に基づいて、認証を受け法人となった団体をいいます。「非営利」と言う言葉から、「無償活動」と言うイメージを持たれがちですが、「非営利」=「無償」と言うことではありません。「非営利」とは事業収益を上げ、そこから人件費、諸経費を引き、もし利益が残ったら、それは次の活動に使う資金にするということです。株式会社の様に株主に分配することを目的としてはいけないということです。NPO法人として認証されるためには、メインの活動をNPO法で定められた20分野の中から選ぶ等、多くの要件があります。また受理された書類は、都道府県のホームページで1か月間縦覧され、その後2か月程の審査期間があるなど、設立には時間を要します。要件漏れで余計な時間がかからないようお手伝いいたします。

NPO法人設立の流れ

株式会社や合同会社と比べると設立までの時間を要します。

1、基本事項決定

①メイン活動を20分野の中から選定します
活動内容は「不特定かつ多数の者の利益」となるものでなくてはなりません。
                        ⇒メイン活動20分野 
➁役員
理事3人以上、監事1人以上。計4人以上の役員が必要となります。理事は法人の業務を執行したり、理事会で意思決定を行います。各役員の親族が1人を超えて役員の中にいてはいけません。また役員とその親族を合わせた人数が役員総数の3分の1を超えてはいけません。
③社員
最低10人以上の社員が必要です。役員が社員を兼務できるので、役員以外に6人の社員がいれば要件をクリアします。社員は社員総会での議決権を持ち、法人の構成メンバーということです。役員のような親族制限はありません。
④法人名称
⑤主たる事務所所在地
⑥会員の種類と会費の決め方
正会員、賛助会員等、会員の種類を決めます。ポイントはどの会員が社員になるかということです。会費の設定は自由です。
⑦事業年度

 

2、設立認証申請に必要な書類(東京都の場合)

①設立認証申請書(第1号様式) 1部
➁定款 1部
③役員名簿及び役員のうち報酬を受ける者の名簿(書式第1号)  1部
④役員の氏名及び住所又は居所並びに各役員についての報酬の有無を記載した名簿
⑤各役員の就任承諾書及び誓約書の写し(謄本)(書式第2号又は第3号) 1部
⑥各役員が法第20条(役員の欠格事由)に該当しないこと及び法第21条(役員の親族等の排除)
 に違反しないことを誓約し、並びに就任を承諾する書面の謄本
⑦役員の住所又は居所を証する書面  1部
(1)住民基本台帳法の適用を受ける人(日本国内に住む外国人を含む)は、「住民票の写し」
 (コピーではなく、区市町村の長が交付した書面を提出すること。)
(2)その他、海外に住む日本人や外国人は、住所又は居所を証する権限のある官公署が
  発給する文書
  ※書面が外国語で作成されている場合、翻訳者を明らかにした翻訳文を添付
  ※書面は申請日(東京都が受理した日)から6月以内に発給されたもの
  ※マイナンバーが記載されていないもの
⑧社員のうち10人以上の者の名簿(書式第4号) 1部
⑨社員のうち10人以上の者の氏名(法人にあっては、その名称及び代表者の氏名)及び
 住所又は居所を記載した書面
⑩確認書(書式第5号)  1部
⑪法第2条第2項第2号(宗教活動・政治活動を主目的としないこと、選挙活動を目的と
 しない こと)及び 第12条第1項第3号(暴力団等でないこと)に該当することを確認
 したことを示す書面
⑫設立趣旨書(書式第6号) 1部
⑬設立について意思の決定を証する議事録の写し(謄本)(書式第7号)  1部
⑭設立当初の事業年度及び翌事業年度の事業計画書(2ヶ年度分)(書式第8号) 各1部
⑮設立当初の事業年度及び翌事業年度の活動予算書(2ヶ年度分)(書式第9号)
 (その他の事業を行う場合は、書式第10号) 各1部

 

⑫の設立趣旨書はなぜNPO法人を法人を設立しようと思ったかを伝える書類です。審査資料であるとともに、縦覧期間には一般の人からもチェックされます。具体的に、分かりやすく、情熱が伝わるように作り上げましょう。また申請書類が揃ったら役所に事前相談に出向き内容を確認してもらいましょう。申請が受理された後は1か月間の縦覧期間を経て、その後2か月以内をめどに審査が行われ認証、不認証が決まります。

 

3、設立登記

認証書が到着した日から2週間以内に、NPO法人の設立登記をしなければなりません。
登記すべき項目は以下の通りです
①名称
➁事務所所在地(地番まで記載)
③目的及び業務
④代表権を有する者の氏名、住所、資格
⑤存立期間または解散の事由を定めたときはその期間または事由
(定款に規定しない場合は記載不要)
⑥代表権の範囲またH制限に関する定めがあるときはその定め
(定めていなければ不要)
⑦資産の総額

 

また準備する書類は以下の通りです
①設立登記申請書
➁定款
③認証書とそのコピー
④資産の総額を証する書面(財産目録)
⑤代表権を有する者の資格を証する書面(就任承諾書)
⑥登記すべき事項を記載したもの
⑦印鑑届出書
認証から6か月経っても登記をしないと、認証が取り消される場合がありますので注意してください。

 

4、設立登記完了届

登記が完了したら「設立登記完了届出書」を都道府県庁に提出します。各都道府県庁により提出書類や部数が異なることもあるので、事前によく確認しましょう。東京都の場合は以下の通りです。
①設立登記完了届出書
➁登記事項証明書
③登記事項証明書のコピー
④財産目録
また合わせて税務関係の届け出も行います。

 

NPO法人は、毎事業年度はじめ3か月以内に、前事業年度の事業報告等を都道府県庁に提出しなくてはなりません。この報告は活動実績の有無にかかわらず提出する必要があります。