株式会社設立

「会社」と聞いて多くの人が思い浮かべるのは「株式会社」だと思います。近年、株主1名、取締役1名で、また資本金1円でも株式会社を設立することができるようになりました。しかしながら、社会的信用面から資本金1円という会社は少ないようです。また株式会社設立には公証役場で定款認証を受ける必要があり、その後登記手続きとなります。短期間での設立も可能ですが、基本設計が重要ですのでスケジュールに余裕を持つことをお勧めいたします。当事務所では基本事項決定から定款作成、定款認証のお手伝いをさせていただき、設立登記については提携司法書士におつなぎいたします。

株式会社設立の流れ

株式会社設立には発起設立募集設立がありますが、中小企業の多くは発起設立を選択します。

1、基本事項決定

会社設立には定款認証と登記が必要となります。そのために必要な事項を決めていきます。
①会社の構成について
最低、株主1人、取締役1人(株主=取締役も可)が必要です。取締役会を設置する場合は取締役3人以上が必要です。監査役を設置するなど、いろいろなパターンがありますので、会社の規模等を考慮し検討します。 

 

➁資本金の額と1株の金額、株式譲渡に関すること
1株1万円など切れのよい金額にします。資本金500万円であれば、設立時の発行が部数は500株になります。株式譲渡制限会社にすると、知らぬ間に株が他人の手に渡ることを防ぐことができます。また役員の任期を伸ばすことができるなどのメリットもあります。

 

③会社名
会社設立にあたり「思い」のこもるところですが、一定のルールがありますので注意しましょう。

 

④本店所在地
「当会社は、本店を○県○市に置く。」と最小行政区画(市町村、東京の23区)まで書くか、「○県○市○丁目○番○号」と住居表示まで書きます。最小行政区までであれば、その区内で移転しても定款変更の必要がありません。

 

⑤事業年度 
決算に際しては、収支の計算や棚卸といった作業が発生するので、会社の繁忙期と決算作業が重ならないようにしましょう。

 

⑥株主(発起人)とその出資額(株数)
株式会社の意思決定には株数がものをいいます。複数人で株式会社を立ち上げる場合は、設立後の会社運営のことも考慮し、出資比率に留意しましょう。

 

⑦役員とその役職および任期
取締役会を設置していない会社では、基本的に取締役全員に代表権がありますが、代表取締役1名を決めておきましょう。取締役の任期は原則2年までですが、譲渡制限会社では10年まで延ばすことができます

 

⑧事業目的
会社の目的には「適法性」「営利性」「明確性」がなければならないとされています。目的の「明確性」とは、誰が見てもわかるように、周知の言葉でなければならないと言うことで、新たに生まれた業界用語などでは登記ができない可能性もあるので注意しましょう。また事業の中には許認可の必要な事業もありますのでその点にも注意しましょう。基本事項が決定したら後々必要となる会社印を作成しましょう。

 

2、定款作成

決定した基本事項を元に定款を作成します。定款に記載する事項には「絶対的記載事項」「相対的記載事項」「任意的記載事項」があります。特に「絶対的記載事項」が記載されていないと定款自体が無効となってしまいます。
  ・絶対的記載事項
   ①目的(会社の事業目的)
   ➁商号(社名)
   ③本店所在地
   ④設立に際し出資される財産の価額またはその最低額
   ⑤発起人の氏名または名称およびその住所

 

3、定款認証

公証役場で定款の認証を受けます。電子定款だと収入印紙代4万円を節約できます。
 当事務所は電子定款対応しております

 

4、設立登記

①出資の履行
代表者の口座に、各発起人分の資本金を入金します。定款認証を受けた日以降に入金する必要があります。
➁必要書類作成
③登記申請
登記の申請日が会社の設立日となります。法務局が休みの土日、祝日には申請できません。
④登記完了
完了までには混み具合によりますが1週間前後かかります。
⑤登記事項証明書、印鑑証明書取得
設立登記については提携司法書士におつなぎいたします。

 

5、銀行口座開設および諸官庁への届け出

登記が完了したら会社の銀行口座を開設する、法人設立届出書提出、社会保険・労働保険の手続きなど様々な手続きが発生します。

 

手続き費用

定款認証と設立登記で約25万円程かかります

※司法書士等に支払う報酬は別途